2016年 11月 28日
大野晋 「ウチとト」
a0051297_784231.jpg『インドネシア語の中庭 文法篇』では,これ(画像クリックで拡大画像)が最後の最後「追補の章」に出るのだが,本当はこういう日本語の「ウチとト」の話から始めて,しかる後にインドネシア語の長い尻尾のネズミの「全体と部分」の話に入るのが順序というべきものだったかもしれない.

イラスト (大野, p.172) の画像不鮮明ではっきり読めない小さな字を説明すると,ウチ 「コ系」, ト 「カ(ア)系」である.

修正案 (Sg) について言えば,「自己」のソトは「非自己,外界」だろう.

「コソア」のところでは楕円を使うのがミソ.自分と相手という二つの中心をもつ楕円形である.大野のイラストでは一つしか中心のない正円を使ったために「ソ」が落ちてしまった.ただこれは,大野自身が 「コ系の代名詞とソ系の代名詞とがあるが,古くはコ系とソ系とは対になってあまり使われない.むしろコ系の代名詞はカ系(後にはア系)の代名詞と対になって使われることが多い」(p.174-175) というような書き方をしているので,あながちイラストレーターの責任というわけではない.


大野「ウチとト」の展開.

a0051297_8522864.jpg1) 日本人にとって,言語は「国語か外国語か」である.
2) 「和」とはウチの「和」である.
3) 「雨に降られる」.被害の「られる」のイラストである.
4) 「我が子」のための「全体と部分」のイラスト.

Cf. ウチ扱いをする人間には「ガ」という助詞を用いた (大野,p.179).
つまり,大野は「全体と部分」という扱い方をしない.

ドイツの物理学者 W.ハイゼンベルクの自伝 『部分と全体』 (Der Teil Und Das Ganze, 英題 The part and the whole) --- ドイツ語・英語では「部分」を先に言うらしい. 



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by sanggarnote | 2016-11-28 07:10 | 次版


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